2011年1月30日日曜日

孝行力


『あなたは孝行していますか?』
徳を磨く。。。
そのような言葉を聞いたことがあるかと思います。
最近でいうと、「人間力」を磨くとでもいうのでしょうか。
人間力を高める上でも、可能性という扉を開き、道をひらく上でも
大事なことは、『孝行』をすること。
孝行の代表というのが、親孝行という試練であるかもしれない。
高齢化社会における日本の課題。そして、みなさまと共に考えなければならない
介護ということ。ひとはひとりでは生きていけない。
しかしながら、本当の意味で苦労するときは、だれも助けてはくれない。
自分で自分の試練を乗り越えなければならないのである。
そんなことを、自らの介護生活の中で色々とまだまだかと思うが
経験させて頂いている。 介護をする側のひとの苦労、これはやったひとでなければ
わからない。そして、介護にも度合いがあることも、経験者であれば理解してくださるかと
思うが、介護は本当に介護を必要とする人との信頼関係である。
しかしながら、その介護も何処まで、するか。。。は、また別問題での課題で、ひとそれぞれ。
昨年から始めた”プライベートカウンセリング”で、既に100名近くの方々の悩みを
聞かせて頂いている。そんな中で、先日、このような胸がつまるような話があった。
”先生、わたくしの親孝行はいつまでなんでしょうか?”
正直、返事に困った。
どのように応えるのが、そのひとにとっていいのだろうか。
わたくしはいつも相談をうけると、相手の想いを言葉にかえて引き出すアプローチをとる。
Sさんというまだ29歳の彼女は、親の介護で、結婚、仕事、そして自らの健康など
思ってもいかない方向にいってしまったようで、まずは自らの健康バランスを
いかにもとのようにコントロールするのかを考えるように導いていった。
ひとしきり90分位話をしたあとだろうか。。。
Sさんはまた、わたくしに
”親孝行というのは、いつまで続くのだろうか。。。わたくしはいつまで
介護をしなければならないのだろうか。。。わたくしは幸せになれるのだろうか。。。”
涙ながらに話をされた。
完璧にメンタルが壊れているまではいかないが、崩していることを感じた。
介護を必要としているのは判っているが、仕事をしないと、お金がなくなるから
生活も大変になり、介護もままならなくなる。。。介護が必要とする母をみていると
どうにか少ない時間で働いて、すこしでもいい治療をうけられるように稼ぎ、そして
笑う顔がみたい。。。というのだ。
涙ながらに。。。
その話を聞いているわたくしも若干彼女の苦労には及ばないかもしれないが
多少は理解できるので、どうにか、彼女の納得のいく答えを引き出したいと
色々と聞いていった。
親孝行というのは、よく、できなかったひとからすると、君はいいね。。。といわれる。
親孝行がすぎて、介護ができなくなると、ひとからだらしがないと。。。いわれる。
親孝行、介護、親の面倒をどこまでみるか。。。
彼女は全ての彼女の時間を使って、介護に当たっているが、その間をぬって
仕事をしている。まったく自由な時間などない。。。
あるとしたら、病院にいきかうときに、ひとり、ぽつぽつと散歩をすることや
温かい場所でひとりでゆっくりお茶をするときなのだそうだ。
読書が好きな彼女は、本を買うお金も惜しんで、治療などのための費用をためて
精一杯介護している。好きなものも買わず、やりたいことも我慢して、我慢して
生きている。
そんな彼女をわたくしは心から尊敬するといった。
すると彼女は、わたくしはまだまだ母が期待する介護や親孝行が出来ていない。。。
涙・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ではどうすることが、彼女にとっていいのか。。。
介護と孝行は、終わりがない。
この言葉を思い切ってぶつけてみた。
すると、彼女は電話を一度切った。
期待していなかった言葉であったためなんだろう。。。
3日間ぐらい経って、また電話があった。
先生、先日は急に電話を切って申し訳なかったです。
そうですよね。。。介護は永遠に続くし親の面倒や親孝行は
永遠に続くんですよね。。。ならば、わたしは、一生この介護や親の面倒を
みている間は、自分の幸せは考えないようにします。。。そうすることで
あきらめがつきますから。。。
そう、また、涙を流しながら、話をされて、電話を切った。
介護を必要とする母親と、事業で失敗した父親。
両方の生活を彼女はなんとか乗り切っている。
しかしながら、彼女の声からは、強く、道をひらく力の叫びを
感じ取ることが今回できたので、わたくしとしては、毎日一度は
電話を頂いた先日から、何かあると、祈るようにしている。
彼女が少しでも幸せになるように。。。
彼女のもとに、幸せがくるように。。。
心から強く祈っている。
彼女の話を聞くことで、改めて、介護の厳しさと、親と向き合うということの
大切さを考えることができた。
元氣がないひと、幸せなんだけれど自分で自分の幸せや強みが実感できず
悩んで道をひらくちょっとした勇氣がでないひとに、多くのこころの声かけで
少しでも前向きに強く生きていく道を導くこと。
道をひらくこと。。。
考え抜いた行動を常に習慣づけることが
自分の納得のいく結果や成果を生み出す作戦のひとつであるかと
わたくしは思う。
感謝

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